大学での学びの場を中心に発揮されるライティングの力には、多様な知的能力が分かちがたく統合されています。そこには、資料を検索し読解する力、データを分析し総合する力、自分の見解を論理的に考え表現する力、発表して相手に伝える力、相手とコミュニケーションをとり相互理解を形成する力など、多様な力が含み込まれているのです。そのような総合的な知的能力が〈考え、表現し、発信する力〉です。

この力は、大学で学んでいくために不可欠の力ですが、同時に、社会の中でコミュニケーションを形成し、主体的に考え生きていくために必要不可欠の力でもあります。それはまさに、学生の人生全体において必要なものであり、その育成は、大学におけるキャリア支援の要となるものです。我々は、このようなキャリア支援と分かちがたく結びついたライティング支援を、〈ライティング／キャリア支援〉と呼んでいます。